家庭の火災の原因は“古い電気設備”から

はじめに


火災の原因というと、「ガスコンロの火の不始末」や「タバコの吸い殻」を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし実際には、家庭火災の原因の約3割は“電気設備”にあることをご存じでしょうか。


古い分電盤、劣化した配線、焦げたコンセント。

「まだ使えるから」と放置していると、ある日突然、火花や煙を出し、火災に発展することがあります。


この記事では、家庭に潜む“古い電気設備”がなぜ危険なのか、そして火災を防ぐために何をすべきかを10の視点から解説します。


1. 古い分電盤は“時限爆弾”


家庭の電気を分けている分電盤。築30年以上の住宅では、いまだに古いタイプが使われていることがあります。


古い分電盤は「漏電遮断器(ブレーカー)」がついていない場合があり、漏電やショートが起きても電気を止められません。

その結果、ケーブルが加熱して火災になるリスクが非常に高いのです。


対策:分電盤は20~30年を目安に交換。必ず漏電ブレーカー付きにしましょう。


2. コンセントの焦げ跡は“警告サイン”


「コンセントの周りが黒く焦げている」

「差し込むときに火花が散る」


これらは立派な“火災予兆”です。ほこりや緩んだ接触部から火花が飛び、プラスチック部分が焦げる。これが進むと「トラッキング火災」に発展します。


対策:焦げ跡があるコンセントは即交換。使用を続けるのは非常に危険です。


3. 延長コードの“たこ足配線”は危険


家庭でよく見かける「延長コードにいくつも家電をつなぐ」――これも火災の原因です。

容量オーバーでコードが加熱し、被覆が溶けて火を噴くことがあります。


対策:延長コードは一時的な利用にとどめ、常用する場合は専用コンセントを増設する工事を行いましょう。


4. 絶縁劣化した配線は“見えない脅威”


壁や天井の中にある配線は普段見えません。

しかし、築30年以上の住宅では被覆が硬化・ひび割れし、絶縁抵抗が低下しているケースが多々あります。


これが漏電や発火につながります。特に木造住宅では火が回るのが早く、一瞬で家全体を失うこともあります。


対策:リフォームや改修時に必ず電気配線の点検を依頼し、必要なら交換すること。


5. 古い家電は“火種”になる


古い扇風機やこたつ、電気ストーブなどは、内部のコードや接点が劣化しており、使用中に発火する事故が毎年報告されています。


対策:10年以上経った家電は特に注意。発熱や異臭を感じたら即使用を中止し、買い替えを検討しましょう。


6. アースがないコンセントは感電・発火リスク


洗濯機や電子レンジなど、電力を多く使う家電には本来アース接続が必要です。

しかし古い住宅ではアース端子のないコンセントが多く、漏電時に火災や感電が発生しやすくなっています。


対策:リフォーム時にアース付きコンセントへ交換し、確実に接地工事を行いましょう。


7. 漏電遮断器は“命を守る最後の砦”


漏電遮断器がなければ、電気が漏れても気づかず、発火や感電事故が起きます。

家庭用でも必ず設置すべき基本装置です。


対策:分電盤に漏電遮断器がついていない場合は、必ず電気工事会社に依頼して追加してください。


8. 電気ストーブの誤使用


冬に多いのが「電気ストーブによる火災」です。

布団や衣類を近くに置いたまま使うと、被覆が焦げて発火します。古い延長コードを併用するとさらに危険です。


対策:電気ストーブは安全距離を守る。古いコードで使用しない。タイマー機能のある製品を選ぶ。


9. DIY電気工事は違法かつ危険


「自分でコンセントを増設した」「ケーブルをつないでみた」――こうしたDIYは感電や火災の大きな原因です。

電気工事は有資格者しか行えない“独占業務”です。


対策:電気に関わる工事は必ず有資格の電気工事士に依頼すること。


10. 定期点検で“火災ゼロの家”に


最も確実な対策は、定期的に専門家に点検してもらうことです。

古い住宅は5年に一度、最新住宅でも10年に一度は点検を受けるのがおすすめです。


「火事にならなくてよかった」ではなく、「火事を起こさない」ために proactive(先取り)の対応を。


おわりに


家庭の火災は、必ずしも「火の不始末」から起こるわけではありません。

むしろ、見えないところに潜む“古い電気設備”が原因であるケースが数多くあります。


古い分電盤やコンセントを放置しない


延長コードの使いすぎをやめる


漏電ブレーカーを備える


定期点検を欠かさない


これらの対策で、家庭火災のリスクは大幅に減らせます。


電気は便利で欠かせないものですが、同時に火災のリスクも秘めています。

「まだ大丈夫」と思わずに、家族の命を守るために一歩先の対策を始めましょう。