停電に負けないオフィスをつくる電気工事

はじめに


オフィスにとって「停電」は一見まれな出来事に思えるかもしれません。

しかし、実際には地震・台風・豪雨などの自然災害や、近隣工事・老朽化設備のトラブルによって、突然の停電が起こることは珍しくありません。


オフィスの電気が止まるとどうなるでしょうか?


パソコンが強制終了して作業データが消える


サーバーが止まり、全社員が業務できなくなる


セキュリティシステムが作動せず、情報漏えいリスクが高まる


エレベーターが停止し、社員が閉じ込められる


つまり、停電は単なる「一時的な不便」ではなく、事業継続に直結するリスクです。

本記事では、停電に強いオフィスをつくるための電気工事のポイントを10の観点から解説します。


1. 非常用電源の設置は“事業継続”の必須条件


まず最初に考えるべきは「非常用電源の確保」です。

停電が起きても最低限の電力を供給できる仕組みを用意することで、オフィスの致命的な停止を防げます。


非常用発電機:長時間の停電にも対応可能


UPS(無停電電源装置):瞬断対策や数分~数十分のバックアップ


蓄電池:再エネと組み合わせて効率的に運用


オフィスの規模や用途に応じて、組み合わせて導入するのが効果的です。


2. サーバールームの電源は“二重化”が鉄則


多くの企業では、業務の中心がサーバーやネットワーク機器に依存しています。

これらが停電で止まれば、リモートワークも含めて全社員が業務停止になります。


サーバールームの電源は必ず二重化し、UPSを通した系統と発電機からのバックアップ系統を持たせましょう。

さらに、冷却用の空調も同時に確保しなければ意味がありません。


3. データ消失を防ぐ“UPS”の役割


突然の停電で最も多いトラブルが「データ消失」です。

保存中のファイルが壊れたり、システムが異常終了して再起動できなくなることがあります。


UPS(無停電電源装置)を各主要PCやサーバーに設置すれば、停電が起きても数分間は電力を維持できます。

その間に安全にシャットダウンできるため、データを守る最後の砦となります。


4. 非常用コンセントの設置で安心を


停電が起きた際に「どのコンセントが生きているのか分からない」と混乱するオフィスは多いです。


非常用電源に接続されたコンセントは、色を変えて一目でわかるようにしておくのが基本です(例:赤いコンセント)。

これにより、停電時でも社員は迷わず重要機器を接続できます。


5. 停電工事は“シミュレーション”が鍵


非常用電源や配電系統を整備しても、実際に停電が起きたときに確実に切り替わらなければ意味がありません。


定期的に「模擬停電テスト」を行い、発電機の起動やUPSの動作を確認しましょう。

また、その際には社員にも「停電時の行動マニュアル」を周知することが重要です。


6. 災害時の照明確保は“避難経路の命綱”


停電時に一番困るのが「真っ暗になる」ことです。

特に窓のない会議室や廊下では、停電直後にパニックが起きる危険性があります。


自動で点灯する非常用照明


蓄電池内蔵の誘導灯


最低限の明るさを確保するLED非常灯


これらを正しく配置することで、停電時でも安全に避難できます。


7. セキュリティシステムの“盲点”


オフィスのセキュリティゲートや監視カメラも、停電時に動かなくなります。

その結果、不正侵入や情報漏えいのリスクが一気に高まります。


セキュリティシステムにも非常用電源を接続し、最低限の監視体制を維持できるようにしておくことが必須です。


8. エレベーター停止への備え


高層ビルのオフィスでは、停電時にエレベーターが止まり、社員が閉じ込められる事故も起きています。

エレベーターには非常用電源の接続や、自動的に最寄り階に停止する仕組みを導入することが重要です。


さらに、非常通報装置が停電時でも動くように電源を確保しておきましょう。


9. テレワーク時代の“停電リスク”


停電はオフィスだけでなく、在宅勤務中の社員にも影響を与えます。

会社としては、クラウドサービスの利用やVPNサーバーの二重化など、オフィス停電が全社に影響しない体制を整える必要があります。


また、主要な幹部や管理部門には「家庭用小型UPS」や「ポータブル蓄電池」を支給する企業も増えています。


10. “停電に負けないオフィス”は信頼を生む


停電対策は単なる安全対策ではありません。

「停電が起きても業務を続けられる会社」であることは、取引先や顧客にとって大きな信頼につながります。


BCP(事業継続計画)の一環として停電対策を電気工事で実現することは、企業ブランドを守る行為そのものなのです。


おわりに


停電は“めったに起きない出来事”ではなく、いつでも起こり得る現実的なリスクです。


非常用電源で業務を守る


UPSでデータを守る


非常照明やセキュリティで社員を守る


これらの電気工事を整備することで、停電に負けないオフィスを実現できます。


「電気が止まったら、会社も止まる」――その危機を理解し、今こそ備えることが必要です。

停電対策は未来の安心をつくる投資。担当者の一歩が、会社全体の安全と信頼を守るのです。