低圧進相コンデンサのはなし
工場や農園のモーター設備のそばに、静かに取り付いている小さな箱。「進相コンデンサ」といいます。ふだん目立ちませんが、電気代と設備の寿命を陰で支えている大事な部品です。
電気には「使える分」と「ムダな分」があります
モーターなどの動力機器は、実際に仕事をする電気のほかに、「無効電力」というムダな電流も流してしまいます。ビールにたとえると、中身が「仕事をする電気」、泡が「ムダな電気」。泡が多いと、ジョッキ(電線や変圧器)の大きさのわりに中身が少なくなってしまいます。
コンデンサーは、この「泡」を打ち消して中身の割合(力率といいます)を高くする部品です。
仕事をする電気(有効電力)
ムダな電気(無効電力)
コンデンサーがあると、何がいいのか
電気代の節約になる
力率が良くなると電力会社の基本料金の割引を受けられる場合があり、ムダな電流が減ることでロスも小さくなります。動力を多く使う設備ほど効果が出やすくなります。
設備の負担が軽くなる
配線・変圧器・ブレーカーに流れる電流が減るので、発熱が抑えられ、設備が長持ちしやすくなります。
電気を余裕をもって使える
ムダな電流が減った分だけ配線容量に余裕が生まれ、電圧降下も抑えられて、機械が安定して動きます。
古いコンデンサーは、点検を
進相コンデンサは消耗品で、更新の目安はおおむね10年です。古くなると内部が劣化し、膨らみ・液漏れ、まれに発煙や発火につながることがあります。次のようなサインがあれば、使用を続けず点検をおすすめします。
ケースの膨らみ・変形
油のにじみ・液漏れ
「ブーン」という異音
設置から10年以上経過
見た目に変化がなくても、設置年数が経っている場合は一度点検を受けると安心です。
進相コンデンサは、ひとことで言えば
「電気のムダをなくして、電気代と設備の負担を減らす部品」です。

